北半球のコーヒーミルクは反時計回りにまわる?③☕【チャレジョブセンター桶川】
こんにちは。 チャレジョブセンター桶川です。
さて、昨日、一昨日に続き、北半球の台風が反時計回りにまわる「コリオリの力」が、カップの中のコーヒーミルクにも同様に影響するのか、について述べてみたいと思います。
今回が最終回です。
センター内でも、利用者さんにご協力いただき、コーヒーミルクが反時計回りまわるか実験してみました。
センターの実験では、反時計回りは確認できませんでした。
MIT(マサチューセッツ工科大学)では、コーヒーカップではありませんが、「流し(シンク)の水は北半球では反時計回りにまわる」という「言い伝え」について精密に実験を行いました。
結果、「その言い伝えは誤っていた」と結論付けられています。
実は竜巻やつむじ風は、台風とは違って反時計回りにも時計回りにもまわります。
これは、遠心力などの力のバランスで起こる現象です。
「流し(シンク)の水は北半球では反時計回りにまわる」という言い伝えは、竜巻などと同様の力が流し(シンク)の中で起こり、それがコリオリの力と結び付けられて語られていったもののようです。
計算上も、回転半径が小さく、継続時間が短いほど、コリオリの力の影響が弱くなり、流し(シンク)の水に反時計回りの渦を起こすには、あまりにもコリオリの力は弱すぎます。
しかし、例外的に、流し(シンク)を慎重に、厳密に対照的に作ったうえで、水を流し始める際に、まったく回転しないようにするならば、コリオリの力は微弱ながら働きます。✨(※)
(※下記、参考図書④ p.25 15行~17行)
そのため、「北半球のコーヒーミルクは反時計回りにまわるか?」についての今回の私の結論は、「慎重、厳密に実験を行うなら、完全には否定し切れない」、「ただし、流し(シンク)よりさらに小さなコーヒーカップの中で、コリオリの力を確認するのは相当に難しい」となりました。
今回、35年ぶりの疑問について調べてみて、図書館で結論にいたる記述を見つけた際にはワクワクするような楽しさがありました。
好きなこと、興味のあることに取り組む際は、前向きになれるものです。
ご自身の興味や関心、適性なども、よくとらえていただいたうえで、就労訓練や就職活動に向かっていただくことが大事なのでは、ともあらためて感じました。
(参考サイト)
(参考図書)
①『台風の大研究』 筆保弘徳 編著 PHP研究所
②『空と天気の不思議がわかる 気象の図鑑』
岩月秀明・今井明子 著 技術評論社
③『謎解き・海洋と大気の物理』
保坂直紀 著 講談社ブルーバックス
④『物理がわかる実例計算101選』
クリフォード・スワルツ 著・園田英徳 訳 講談社ブルーバックス
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