今週の一冊:震災から10年*チャレジョブセンター浦和

チャレジョブセンター浦和の大川です。
チャレジョブセンター浦和ではそれぞれの職員のおススメ本を「今週の一冊」として紹介しています。
今週というより今日の一冊になりますが「福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書」です。
これはチャレジョブセンター浦和というより、私大川個人的な思いからの紹介となりますことをお許しください。

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昨年リタリコ仕事ナビのブログで北澤宏一先生の著書を紹介させて頂きました。大学教授をへて北澤先生は東京電力福島第一原発事故調査委員会の委員長になられます。
私の社会人人生は北澤先生とともにスタートしました。私は当時研究所の事務スタッフでしたが、先生は研究のプロジェクトリーダーでした。誰に対しても穏やかな先生で国籍・年齢・性別等で差別せず、人の悪口を絶対おっしゃらない方でした。
その先生がこの原発事故に関しては怒りを表出されていたのをテレビ画面越しにみて、先生の責任感と「なぜ起きたのか・なぜ防げなかったのか」という科学者としてのジレンマを感じていました。

私が事務員をしていた時の研究は「基礎研究」でした。応用物理を専攻した場合、多くは原子力に携わり、「原子力ムラ」のエリートとして生きていく人がほとんどでした。先生は「我々が基礎研究(理論等の構築)をやらずして誰がやるんだ。企業は絶対できないじゃないか。」という信念のもと、正直もうからない基礎研究をコツコツ続けていらっしゃいました。
だからこそ「エリート」であるはずの彼らが、どうしてこうなったのかという点に大きな怒りと疑問があったのではないかと考えています。

この報告書には北澤先生の言葉は冒頭部分しか載っていませんが、その中で政府が東京電力が放射能漏れの報告が遅れたことにより、世界各国への事故報告が遅れてしまった。その件について「世界各国の方々に日本国民として心からお詫び申し上げたい」と記されています。
北澤先生は2014年に逝去されています。先生に10年たった「今」を静かにお伝えしたいです。


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