「HSP」と就労について②施設長のつぶやき*チャレジョブセンター浦和
皆さまこんにちは。チャレジョブセンター浦和施設長の金井塚です。8月に私の書いたブログ記事「「繊細な人」「敏感な人」(HSP)と就労について」には、お電話や来訪など多くの反響をいただきまして、大変感謝をしております。
その中で多くの方からいただいたご質問は「HSP気質の人に向いている職業とは何ですか?」というものでした。これについて、私なりの考えをつぶやかせていただこうと思います。
個別にご質問いただいた方には、既にお答えしているのですが、ずばり「個別のケース(特に困っていらっしゃること)により、向いている職業は異なる」というものが回答となります。この記事をお読みの方には、期待外れな回答かとは思いますが、これには私自身のこんなエピソードがあります。
一般的には、HSP気質の方には、「騒がしい環境」や「人の感情が交錯する場所」などはストレスや敏感になる原因とされていますが、私自身はスーパーの店長(騒がしい場所)も就労のお手伝いをする仕事(職業カウンセラー=人の感情が交錯する場所)もとても合っていると感じています。これが、克服できた理由は高校時代から一貫してアルバイトが小売関係だった「経験」や、人の話を聴くことが好きだという「性格」からくるものだと思っています。
つまり、一般的に適さないとされる環境であっても、その方の「経験」や「性格」「得手・不得手」に加え、周りの人がHSPの人の特長を受け入れてくれる環境であるということも必要な要素だと感じています。
そこで、おすすめしたいのが、ぜひご自身の①経験②得意な事③性格(特に出ているHSP気質)等を整理して、ご自身の「理想の職場環境像」を想像していただき、各種相談機関(ハローワーク様や転職エージェント様など)また、障害者手帳をお持ちの方であれば、当センターなどの「就労移行支援」に「理想の職場環境像」をお伝えいただく事で、少しでも安定した就労につながるのではないかと思っております。「わがまま」や「変わった人」との誤解もあるかもしれませんが、多くの機関に相談する事で、一人でも多くの方がHSP気質の良さを生かせる職場にたどり着けることを願ってやみません。
HSPは「Highly Sensitive Person」の略なのですが、私は個人的に「Happy Sensor Person」と解しています。「異常を察知して、職場を良い方向にもっていくかじ取り役」と社会から理解してもらえるように、HSP気質について、皆さまと考えて行きたいと思っております。
チャレジョブセンター浦和では、障害をお持ちの方を中心に「どんな仕事が向いているかわからない」「お仕事に自身が持てない」「どんな風に就職活動を進めたら良いのかわからない」といった質問に丁寧にお答えして参ります。ぜひ一度、当センターへお問い合わせいただければ幸いです。
※この文の中でのHSPに関する記述は、以下にご紹介する参考文献を金井塚が読んでの解釈やエピソードになります。正確な知識を必要とされる方は、ぜひ参考文献をお読みいただければと思います。
参考文献・出典
長沼睦雄著『敏感すぎる自分を好きになれる本』(青春出版社),2016年
エイロン・N・アーロン著 冨田香里訳『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』(SBクリエイティブ),2000年
武田友紀著『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(飛鳥新社),2018年
一般社団法人日本産業カウンセラー協会『産業カウンセリング』2020年6月号(入手困難)